【Work】影響を受けた・参考にさせていただいたマンガ

『ふたりのマンガ線』発売からもうすぐ4か月。資料を整理していたら、作中でふたりが合作するマンガ『正反対☆★ウォーズ‼︎』のプロットをまとめた紙が出てきました。

改稿中、編集者さんとのイメージ共有用に、小学生男子になった気持ちでストーリーを考え、24ページ分の原稿に振り分けたもの。結構楽しかったです。

ほかにも、ふたりの愛読雑誌『デコボコミック』で連載されているマンガや、主人公の一人・秘(ひめる)の家にある古いマンガのタイトルなども、具体的に決めていきました。

今日は、『ふたりのマンガ線』を書くにあたって、影響を受けたり、参考にさせていただいたマンガについて、書いてみたいと思います。

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高野 文子『黄色い本』『棒がいっぽん』

小学生のころから『りぼん』などの少女漫画を毎月愛読していたのと、高校生になると『ジャンプ』も借りて読むようになりました。

大学時代は矢沢あいさん『NANA』の全盛期。ご多聞にもれずハマって、感情移入して読んでいました。
わたしにとって「マンガ=恋愛もの」というイメージ(今は『りぼん』などの少女漫画のテーマも多様化しているかもしれませんね)

それを覆してくれたのが、高野 文子さんの作品との出会いでした。

大学の講義で紹介された『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』の、その表題作を読んだときは衝撃を受けました。

主人公の高校生・実地子が、『チボー家の人々』という何冊もある本を読んでいく様子が丁寧に描かれます。
本の世界と実生活のギャップ、本の住人たちと実地子の気持ちがリンクしていく過程が、独特なタッチで表現されていて、何度も読むうちに深い面白さを理解できていく感覚がありました。

最後、お父さんが実地子にかける言葉が優しくて、本を読むことが肯定される感じが心地良いんです。
これから文学作品をたくさん読むことになる入学したての文学部生に、このマンガを紹介するなんて、先生粋ですね。時を超えて気づきました(笑)

『棒がいっぽん』という短編集の「バスで四時に」も印象に残っています。
緊張しながらバスに乗る女性の視点で心象風景のようなものが、順番に展開されていきます。前に座った人の服の模様がレンガに見えてきて、そこにブタが現れてレンガを動かし始めたり。

普段のなにげない頭の中のことをマンガにしようと思ったのがすごいし、絵の表現もすごい。
それから、恋愛ものだけでなく、新旧のいろいろなジャンルのマンガを読むようになりました。

『ふたりのマンガ線』は、あまりマンガを読まない子どもたちにも、その唯一無二の表現の面白さが伝わればいいなと思って書き始めました。
高野 文子さんのマンガに出会ってなかったら、題材に選んでいなかったかも?

杉浦 茂『怪星ガイガー』

『ふたりのマンガ線』では、秘の家にあった古いマンガ『ミライのヒメル』を錬磨(れんま)が借りて帰ります。

そのマンガは、なんとなくですが、『怪星ガイガー』というマンガをイメージして書いていました。
Wikiによると1955年発表なので、70年以上も前の作品。

最初は手塚治虫、赤塚不二夫作品をイメージしていたのですが、秘のお父さんの所持品にしては、計り知れない感じが足りないと思い、思い出したのがこの作品でした。たしか、佐々木マキさんのインタビュー記事で知りました。

初めて読んだときは、頭の中がしっちゃかめっちゃかになって大混乱。脈略があるのかないのか。当時の子どもたちの読解力の高さに唖然としました。
ナンセンスさとシュールさが癖になるのと、言葉遊びのような台詞まわしも絵本みたいで面白く感じました。レトロな絵も好きです。

この感じは、今のマンガにはあまりないと思います。ちょっと読みにくくはあるのですが、未体験ワールドが広がっているので、気になる方はぜひ読んでみてください。

ながとし やすなり『けだまのゴンじろー』

『けだまのゴンじろー』は長男が小学生のときにアニメをやっていて、一緒に楽しく観ていました。
登場人物がみんな明るくて楽しいし、ストーリーも緩急があってわかりやすい。ゴンじろーも一生懸命で可愛い(おしりもね♡)

『ゴンじろー』を通して、初めて小学生男子のマンガ世界をのぞいた気がしました。
『ふたりのマンガ線』構想中には原稿をトレースしながら、わたしなりに研究させていただきました。

思い出のつまった大切な作品です。うちにはぬいぐるみもいて、単行本の横に座っています。

それから、ゴンじろーつながりで、同じ時期に『コロコロコミック』で読んでいた『脱獄ごっこ』も、絵がわたしの求めていたイメージにぴったりで、参考にさせていただきました。

キャラクターのかっこよさと可愛らしさのバランスが好きでした。効果線や書き文字もすごくきれいに書かれていて、“マンガ線”の勉強になりました。

篠原 健太『ウィッチウォッチ 』

そして、忘れてはならないのが、『ジャンプ』で連載中の『ウィッチウォッチ』です。大好きな作品で、何度深夜に一人、声をおさえて笑ったかわかりません(アプリで読んでいるので)

とくに印象深いのが、『ふたりのマンガ線』を構想するきっかけになった7巻です。
主人公・乙木 守仁が小さいころ一人で描いていたマンガが発掘されるというお話。

もう一人の主人公・若月ニコの「マンガ世界に入る」という魔法によって、登場人物たちが、守仁が描いたマンガ風の絵になってしまいます(この説明で伝わるのか…)

その本当に小さい子が描いたような絵のタッチと、ちょこっと載っていた『たたかえ!武闘戦士 バトルファイター』という“戦う圧がすごい”マンガが最高に可愛くて(篠原先生はどうやって描いたんだろう?)

わたしも小学生のとき漫画家に憧れていたこと、女の子の顔を上手に描きたくて練習していたことを思い出しました。

今はタブレットで絵を描く子も多いと思いますが、みんな最初は、ノートのラクガキからではないでしょうか?
なにかを作ってみようと思うとき、未熟さと向き合わずに進める人は、そんなにいないはずです。

好きなことだから、友だちと一緒だから、自己嫌悪に陥りつつも向き合う子たちを書いてみたいなと、『ウィッチウォッチ』のこのお話を読んだときに思いました。

【おまけ】隠れマンガ

マンガについて考えていて、ちょっと思い出したことが。
『ふたりのマンガ線』の中に、『ワンピース』『HUNTER×HUNTER』『僕のヒーローアカデミア』のかけらが、隠れています。

ヒロアカは見つけやすいですが、ほかの2つは超難度。わかった方はすごいです。

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