夜、塾終わりの中1の長男が話しかけてきた。23時近く。
リビングのワークスペースで改稿作業にいそしむ母を激励するためか、めずらしく読んだ本の話をふってくる。
前におすすめした児童文学を持ってきて、「これ読んだ」「これも一応、読んだ」と、造りつけの本棚に返していく。
渡したのは何カ月も前の本ばかりだけど、やっぱりうれしい!
「どうだった?」ときくと、「うーん、読んでも読まなくてもって感じ」と率直…。
「そっか〜。自分にぴったりきて面白いって思える本は、そんなに出会えるものじゃないからね」
「え、コンナコト起こる?って思うと、ウーンってなる。読むのやめようかなって」
「そうだよねぇ」と、書き手として身につまされながらうなずく。
「それで頑張って最後まで読んでも、なにも変わらないと…」
「わかるよ。読む前と後で、自分の気持ちや考えが少しでも動かされてほしいよね」
「うん」
お母さんもそんな物語にしたいよ…と、改稿途中のパソコンを横目に思う。
本棚から森絵都さんの『カラフル』を取って、手渡してみた。
「読んでもなにも変わらない」というのは、いまの若い子らしい考え方だと思う。
YouTubeの解説動画やアニメの一気見などに慣れてしまって、結論の見えにくいもの、役に立つのかわからないものは、早めに切り捨ててしまいがち。時代がそうなっている。
長男は赤ちゃんのころから、それは多くの絵本や童話を楽しんできた。
小2くらいで読み聞かせは終了して一人読みへ。主に、科学や歴史の読みもの系。
さらに高学年になると、ラノベのようなものも読むようになり、もう把握できず。
物語の本も読みつづけてほしいなと思い、塾の国語のテストで使われた児童文学作品で、面白そうなものを買ってきては、順番に読むようになった。
親子で同じ本を読んで、感想を伝え合う。やってみると、これがなかなか楽しい。
長男と読んで「面白かったね!」と言い合ったのが、戸森しるこさんの本。とくに、『ゆかいな床井くん』は親子でお気に入りの作品になった。
似た感想をもつことが多いので、おたがいにお気に入りの一冊が見つかったときは盛り上がる。
中学に上がった今は、学校・部活・塾に忙殺されながら、いよいよ読書はすみっこに…。
たまに時間ができても、その手は本ではなくタブレットに伸びる。
わたしにできるのは、「同じ本を読む楽しみ」を、ほそぼそとつむいでいくことくらい。
大丈夫。おすすめ本のストックが尽きることまずないからね。
これからも、少しずつでいいから本を読んでいこう。
そしていつか、お母さんの本も読んでね(感想はお手やわらかに)



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