『ぼくたちのコミック・デイズ!』……改め、『ふたりのマンガ線』は、小学6年生の男の子、錬磨(れんま)と秘(ひめる)がW主人公の成長物語です。
性格など正反対のふたりが近づくきっかけとなるのが、『デコボコミック』という小学生向けのマンガ雑誌。
少しずつ理解し合ったりケンカしたりしながら、いつしか同じ目標を共有するようになり、春から秋を駆け抜けます。
最後の校正に励む1か月が、ちょうど講談社さんの最終選考待ち期間。どちらにも失礼にならないよう、結果がわかってから送ろうと決めていたので、フレーベル館さんに送るのがぎりぎりになり焦りました。
近所の郵便局に、いつも笑顔で親切に教えてくださる(こっちで送った方がお得とか 笑)女性の局員さんがいて、その方に手渡すことができたので幸先いいな〜、なんて思ったのを覚えています。
無事に送り出してから、②で触れた講談社さんの選評が公表されました。
『コミックデイズ』も構成などの勉強をしないまま書いた作品。大丈夫だろうかと心配になって、今さらと思いつつ何度も確認しました。
モチーフを「マンガ」という形あるものにしたこと、構成も『トビウオ』よりわかりやすいことなど、良くなっている点もある。それになにより、わたしはこの主人公のふたりが好きだ! そんなふうに前向きに捉えて過ごしました。
構成のつくり方、表現の仕方などは、この作品に取り組むにあたり、マンガの描き方の本やサイトを読み込んだことで、多少勉強した状態になっていたのかもしれません。
週刊少年ジャンプの作者の方にインタビューするサイトが面白くて、マンガでなく小説を書く上でも参考になりました。
『ふたりのマンガ線』は、附田祐斗先生のお話を参考にプロットを作り始めました。『ハイキュー!!』の古舘春一先生の回も面白いし、漫画家の方の創作論は学ぶところ多しです。

さらに、特定の曲を聴きながら執筆する作家さんは多いと聞きますが、わたしは構想段階から、Aqua Timezさんの『虹』を聴き続けていました。
ヴォーカルの太志さんの書く歌詞には、一曲一曲に物語があります。『虹』からは、苦しさに負けまいとする前向きなメッセージが感じられて、強い風に背中を押してもらうような心地で、執筆することができました。
きっとそのことも、ブレずに最後まで書き上げる助けになってくれたのだと思います。

また気持ちを切り替え、次の作品に取り掛かりました。並行して、創作についての勉強も開始。小説やシナリオを書くための書籍を何冊か読みました。
11月、市の交流施設の学習スペースで資格の勉強をしていたとき、フレーベル館さんのXで一次選考通過者の発表を知り、サイトを確認し「おぉ!」と思いました。ちゃんと届いて、読んでもらえたのだと(←やっぱりそこ 笑)嬉しさが込み上げました。
それからまたドキドキの日々が始まるのですが、同じ月の下旬、蔦屋書店さんに直木賞作家の桜木紫乃先生がいらして、トークショーとサイン会が開催されました。
「絵本」をテーマにした短編集『青い絵本』の刊行を記念したものでした。

『青い絵本』は、人生の岐路に立つ主人公たちが、自分の気持ちにどのように折り合いをつけ前に進むのかがリアルに描かれていて、そこに必ず一冊の絵本が介在するのも面白く、あっというまに読み終えました。
トークショーではどんなことをお話しされるのか想像がつきませんでしたが、思いのほか創作や出版にまつわることが多く、とても参考になりました(今でもときどき、メモした言葉を読み返します)
その後のサイン会では、名前を入れていただけるということで、思い切って筆名でお願いしてみました。
桜木先生はインタビューなどで拝見していた通りの、気さくでお優しい方。すぐに創作をしていることに気づいて、どんなものを書いているのか、成果は出ているのか、ときいてくださいました。
児童文学で、選考を進んでいることを伝えると、「創作って本当に大変だから…」と言って手をぎゅっと握って、「わたしの手にはパワーがあるのよ!」と笑顔で言ってくださいました。
桜木先生からパワーを分けていただいたわたしは、3作目の執筆を進めつつ、1月の二次選考を待ちました。
最終に残れたことを知ったときは、「よし」と思いました。不思議なくらい落ち着いていました。
これから最終に向け、またじっくり読んでもらえるはず。そしたら、きっと、わたしが書きたかったことをわかってくださる方がいるのではないか。そんなふうに思っていた気がします。
④に続きます。いよいよ、フレーベル館ものがたり新人賞、最終選考の日!


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