改稿を進めつつ、ホームページなどで発表する情報を整えていきます。
その一つが筆名、ペンネームでした。
筆名は、23年に童話を応募をしはじめたときに考えたもので、本名とは全く異なります。
つけ方を検索してもあまりヒットせず、本名のアナグラムもうまくいかず…。
・植物や自然を感じられる漢字を使う
・一発で読めてネット検索しやすい
・三浦しをんさん、原田マハさんのようなほかにない響き
・好きな作家さんに多い「子」をつけたい
・性別を問わない名前にしたい
そんな条件を書き出したときに、うちで植えているハーブの「ヘンルーダ」がうかびました。
ヘンルーダは、南ヨーロッパ原産の木のような草のような植物。日本には江戸時代にオランダ経由で入ってきたそうです。
黄色い花が咲くのですが、宮沢賢治は「ヘンルータカーミンの金平糖」なんて表現しています。小粒で可愛らしい花です。
葉から独特の香りがするので猫よけになりますが、我が家は猫よけでなく、虫好きの息子たちのため“アゲハ寄せ”に植えています。
ミカン科で幼虫の食草になるため、アゲハが毎年産卵にくるのです。
プランターをすみっこに置いてもめざとく見つけ、どんどん卵が産みつけられ、孵化した幼虫はもりもり葉っぱを食べて大きくなります。
幼虫は可愛いし、アゲハに羽化するところも見られるので、親子で夢中になってしまいました。
葉っぱの再生が追いつかず、プランターはどんどん増えていきました。
何年か観察を続けて感じたのが、うちの葉っぱを食べて育ったアゲハたちが、一度飛んでいって、卵を産むためにもどってきているな、ということでした。
もちろん確証はありませんでしたが、アゲハにも個体差があり、大きさや羽の感じはバラバラ。見覚えがあるのです。
「あ、あのとき小さくて心配してたアゲハだ!」
そんなふうに思うとき、不思議とアゲハのほうも、一瞬空中で止まるような動作をします。「もどってきたよ」とあいさつしているように感じます。
おかしな話かもしれませんが、アゲハ観察をしている方の中には、わかってくださる方もいるのではないでしょうか。
「アゲハの記憶の遺伝」について、証明した小学生の男の子がいるとニュースになったときは、すごく納得しました。

もどってきてくれるのは嬉しいし、葉っぱを育てて待っているやりがいもあるなと、思いました。
それは、児童書の執筆でも同じことが言えるのではないかと考えました。
児童書は、子ども時代に読むものですが、大人になって読み直すと新しい気づきがあったり、読んだ当時を思い出してリフレッシュできたりします。
また、子育てや仕事で児童書と関わる方は、自分が読んできた本と再会して、それを読んであげたり勧めたりすることもあると思います。
児童書は一回読んで終わりではありません。何度でも「もどってこられる場所」です。
わたしもいつかそんな児童書を書けるようになりたいという決意を込め、「ヘンルーダ」を筆名に生かしてみようと考えました。
条件を踏まえ、「庭のヘンルーダ」→「庭野るう」+「子」。
納得はいっていませんでしたが、ほかに思いつかず仮の筆名として、応募時に使いはじめました。
「るう子」という名前の方に会ったことはありませんが、小学生のとき読んでいた『だまっていればの花愛ちゃん』という漫画の主人公がるう子ちゃんでした。それが記憶の奥底にあったのだと思います。
そうだそうだと思って、電子書籍で再読してみました。
な、なつかしい…!!涙
コミックスも買って繰り返し読んでいたので、セリフやト書きまで鮮明に覚えていました。
長谷川 潤さんの描く女の子が可愛くて大好きだったのです。今見てもおしゃれで可愛いなと思います(読んだことのある方は間違いなく同世代です)





あ
なつかしさにひたっていたら、だいぶ時間がたってしまいました。話をもどします。
ホームページで受賞者を発表するため、筆名をかためることになり、編集者さんに正直にしっくりきていないことをお伝えしました。すると、一つの案として「子」を取ってはどうかとご提案いただきました。
そのメールを見た瞬間、なるほど!とうなりました。
夫に相談しても、すっきりするので取った方がいいし、英語表記は「ru」でなく「lou」にしたら面白いのでは?(男性名ルイスやルイの愛称だそうです)と言われ、筆名と英語表記が決まりました。
条件の「子」はかないませんでしたが、性別を問わないはクリアできたかなと思っています。
「るう」を名前にすることにはまよいもありましたが、次男が「『るう』って名前あるよ!」と力強く言って、国語の教科書を持ってきてくれました。
次男が開いて見せてくれたのは、如月かずささんの『春風をたどって』。小3の最初に習う物語で、よく授業のことを話してくれていたのです。
ほんわか優しい気持ちになれるお話で、わたしも大好きです。教科書(光村図書)のための書き下ろしなので、絵本などはないようです(絵本→教科書は見かけるけど、教科書→絵本は難しいのでしょうか)
「たしかに『ルウ』だね! 気づかなかったよ」
「お母さんリス好きでしょ。ちょうどいいんじゃない?」
次男の言葉で、すっかり心が決まりました。
込めた意味などをお話ししたら、編集者さんも良い名前だとおっしゃってくれたので、今ではとても気に入っています。

⑥に続きます。受賞式に出発です。

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